埼玉県学力・学習状況調査CBT問題の情報公開

埼玉県教育委員会に対し、2025年(令和7年)の埼玉県学力・学習状況調査で使用されたCBT問題の電子データについて情報公開請求を行いました。

本ページでは、これまでの情報公開請求の経過と、現在までに開示されたデータについて説明します。

概要

2025年10月21日、埼玉県教育委員会に対し、2025年の埼玉県学力・学習状況調査で使用されたCBT問題について、XML文書、画像、スタイルシート等の電子データの開示を請求しました。

この情報公開請求では、問題文などの文字が非公開情報に該当する場合には、XML文書中の文字を黒四角(■)に置き換えることを認めました。また、画像中の文字が非公開情報に該当する場合には、その文字を黒く塗りつぶすことを認める一方、塗りつぶした文字数が画像ごとに分かるようにすることを求めました。

最初の開示では、請求したXML文書等の電子データではなく、CBT問題を実行した画面を収録したPDFが提供されました。このため、2026年2月12日、PDFではなく、請求したXML文書、画像、スタイルシート等の電子データを開示するよう審査請求を行いました。

その後、埼玉県教育委員会から改めてCD-Rが送付され、2026年6月10日に受領しました。 このCD-Rには、QTI XML文書、CSS、JavaScript等のCBT問題を構成する電子データが収録されていました。したがって、CBT問題を構成する電子データそのものを入手するという点については、当初の問題は解消しました。

しかし、最初の情報公開請求から求めていた、画像に含まれる文字の文字数については、現在まで提供されていません。 このため、京都府、北海道、千葉県について行ったものと同様の方法で、テキストとして格納されている文字数と画像の一部として格納されている文字数を比較する分析は、現時点では行うことができません。

この未解決の点について、2026年2月12日付審査請求に関する追加意見書を埼玉県教育委員会に9月2日に送付し、画像ごとの文字数の開示を求めています。

情報公開請求

2025年10月21日、埼玉県教育委員会に対し、次の電子データについて公文書開示請求を行いました。

  • 2025年の埼玉県学力・学習状況調査
  • 小学校第4学年から中学校第3学年
  • 国語、算数・数学、英語
  • CBT問題を構成するXML文書、画像、スタイルシート等

また、請求の目的と請求対象を明確にするため、補足説明書も提出しました。

補足説明書では、本請求におけるCBT問題とは画面上の表示結果ではなく、問題定義を構成するQTI XML文書、画像、スタイルシート等を意味することを明記しました。

問題内容の一部を非公開とする必要がある場合についても、開示請求の段階から対応方法を示しました。

XML文書については、児童生徒に表示される文字を黒四角(■)に置き換えることを認めました。

画像やグラフィックスに含まれる文字についても、その文字を非公開とする必要がある場合には文字部分を黒く塗りつぶすことを認め、その場合には塗りつぶした文字数が分かるようにすることを求めました。

最初に開示されたデータ

埼玉県教育委員会から最初に提供されたのは、請求していたQTI XML文書、画像、スタイルシート等ではなく、CBT問題を実行した画面をPDF形式で収録したものでした。

このPDFでは、実際に児童生徒に提示される画面を確認することはできます。しかし、画面に表示されている文字がXML文書中にテキストとして記述されているのか、画像の一部として格納されているのかといった、CBT問題の内部構造を確認することはできません。

今回の情報公開請求は、表示結果ではなく、CBT問題を構成する電子データそのものを対象としていたので、PDF開示では請求に応えたものではありません。

音声・動画データの不開示

埼玉県教育委員会は、2025年12月15日付で、埼玉県学力・学習状況調査の音声データおよび動画データについて不開示決定を行いました。

不開示の理由として、これらを開示することにより、「経年で児童生徒の学力を測るという埼玉県学力・学習状況調査の制度設計が破綻し、適正な執行に支障が生じるおそれがあり、埼玉県情報公開条例第10条第5号柱書に該当するため」とされています。

この音声・動画データの不開示と、QTI XML等の電子データの開示については、別の問題として扱っています。音声・動画データの不開示理由は妥当だ考えています。

PDFによる開示に対する審査請求

2026年2月12日、最初の開示でQTI XML等が提供されず、PDFのみが提供されたことについて審査請求を行いました。

審査請求では、当初の情報公開請求が「電子データ(XML文書、画像、スタイルシート等)」を明示的に対象としていたことを指摘しました。

また、PDFは表示結果を示すものであり、CBT問題としてのデータ構造や属性情報などを検証できないため、XML文書等の代わりにはならないことを述べました。

QTI等の電子データの提供

審査請求後、埼玉県教育委員会から改めてCD-Rが送付され、2026年6月10日に受領しました。

このCD-Rには、QTI XML文書、CSS、JavaScript等、CBT問題を構成する電子データが収録されていました。これにより、当初の審査請求で求めていた「PDFではなくCBT問題を構成する電子データそのものを開示する」という点については、問題が解消しました。

画像中の文字数

当初の情報公開請求では、画像に埋め込まれた文字が非公開対象である場合について、

文字部分を黒く塗りつぶしても構いません(塗りつぶした文字数は分かるようにして下さい)。

と明記していました。同時に提出した補足説明書でも、同じ条件を明記しています。しかし、2026年6月10日に受領した電子データにも、各画像について何文字が含まれていたのかを示す情報は含まれていませんでした。

したがって、QTI XML等の電子データを開示するという点は解決しましたが、画像ごとの文字数については現在も未解決です。

なぜ画像ごとの文字数が必要なのか

CBTの画面上では同じように文字として表示されていても、その文字がXML文書等に文字データとして格納されている場合と、画像の一部として格納されている場合があります。

本調査では、前者を「テキスト文字」、後者を「画像化文字」として区別しています。

問題内容を非公開とする必要がある場合でも、XML文書中の文字を1文字につき一つの黒四角(■)に置き換えれば、問題内容を明らかにすることなく、テキストとして格納されている文字数を知ることができます。

同様に、画像中の文字を黒く塗りつぶした場合でも、画像ごとの文字数が示されれば、問題内容を明らかにすることなく、画像化されている文字数を知ることができます。

京都府に対する同様の情報公開請求では、当初、画像中の文字は黒く塗りつぶされていましたが、その文字数は示されていませんでした。この点について審査請求を行った結果、画像ごとの文字数が提供されました。そのため京都府については、テキスト文字数と画像化文字数を集計し、文字の画像化率を算出することができました。北海道のCBT問題、千葉県のCBT問題については、画像そのものが公開されたので、文字の画像化率を算出することができました。

しかし、埼玉県については、画像ごとの文字数が現在まで提供されていないため、同様の集計を行うことができません。

追加意見書

2026年2月12日付審査請求に関する追加意見書を2026年9月2日に提出し、この未解決の点について、各画像に含まれていた文字数が分かる情報の提供を求めています。

現在の状況

現在までに、QTI XML文書、CSS、JavaScript等のCBT問題を構成する電子データは入手しています。一方、画像ごとの文字数は入手できていません。

このため、埼玉県については、京都府、北海道、千葉県について公開しているような、全問題を通算した文字の画像化率や、問題ごとの画像化率の中央値などを算出していません。

画像ごとの文字数が得られた場合には、同様の方法で分析を行い、その結果を本サイトで公開する予定です。

情報公開請求の経緯

日付経過
2025年10月21日埼玉県教育委員会に公文書開示請求
2025年12月15日音声・動画データについて不開示決定
2025年12月CBT問題の実行画面を収録したPDFを提供
2026年2月12日QTI XML等の電子データが開示されていないことについて審査請求
2026年6月10日QTI XML、CSS、JavaScript等を収録したCD-Rを受領
2026年9月2日画像ごとの文字数が提供されていないことについて追加意見書を作成

本ページでは、情報公開請求やその対応自体を評価することよりも、これまでに何を請求し、何が開示され、現時点でどの情報が得られていないのかを記録し、公開することを目的としています。