全国学力・学習状況調査CBT問題の情報公開

全国学力・学習状況調査で使用されるCBT問題のアクセシビリティを検証するため、国立教育政策研究所(NIER)等に対して、CBT問題を構成する電子データの情報公開請求を行っています。

本ページでは、これまでに行った三つの情報公開請求と、その後の開示決定、審査請求等の経過を公開します。

概要

これまで、全国学力・学習状況調査のCBT問題について、次の三つの情報公開請求を行いました。

対象開示請求日現在の状況
2025年度 全国学力・学習状況調査 中学校理科CBT問題2025年10月21日部分開示決定。非公開問題と開示方法について審査請求
2025・2026年度 CBTサンプル問題2026年1月27日全部開示決定。審査請求後、電子データそのものを交付する方法に変更。開示実施手数料については別途審査請求
2026年度 全国学力・学習状況調査 CBT問題2026年5月26日部分開示決定。中学校英語の非公開問題と開示実施手数料について審査請求

いずれの請求も、画面を印刷したPDF等ではなく、CBT問題を構成するXML文書、画像、スタイルシート等の電子データを対象としています。しかし、現時点では、これら三つの請求について、分析に使用できる電子データをまだ取得していません。

2025年度中学校理科CBT問題については、2025年12月5日に部分開示決定が行われました。しかし、「非公開問題」に関するデータが不開示とされ、また、電子データであるにもかかわらず「スキャナーにより電子化」して交付する方法が示されたため、審査請求を行いました。この開示決定で示されたCD-Rによる開示実施手数料は42,640円でしたが、この手数料については審査請求の対象としていません。

2025・2026年度CBTサンプル問題についても、当初は「スキャナーにより電子化」して交付する方法が示されました。これについて審査請求を行った結果、XML文書、画像等の電子データそのものを交付する方法に変更されました。

一方、CD-Rによる開示実施手数料は182,920円とされています。この手数料については別途審査請求を行い、MEXCBTの問題データをZIPファイルのまま交付することを前提として手数料を再計算するよう求めています。

同種のMEXCBT問題について、文部科学省が「ちばっ子チャレンジ100」を開示した際には、問題ごとのZIPファイルを単位として数え、開示実施手数料は29,830円でした。一方、国立教育政策研究所によるCBTサンプル問題の開示では、対象が872ファイルとされ、開示実施手数料は182,920円となっています。

2026年度の本番CBT問題についても、対象は901ファイルとされ、CD-Rによる開示実施手数料は189,010円とされています。また、中学校英語の一部の問題が、次回以降の調査で使用する可能性があることを理由として不開示とされています。このため、非公開問題の部分開示と開示実施手数料の再計算を求めて審査請求を行っています。

本ページでは、全国学力・学習状況調査のCBT問題を構成する電子データの取得に向けて行ってきた情報公開請求について、開示請求書、開示決定通知書、審査請求書、意見書等とともに、その経過と現在の状況を公開します。

1. 2025年度全国学力・学習状況調査 中学校理科CBT問題

情報公開請求

2025年10月21日、文部科学大臣に対し、2025年度の全国学力・学習状況調査で実施された中学校理科CBT問題について、電子データの開示を請求しました。請求したのは、XML文書、画像、スタイルシート等、CBT問題を構成する電子データです。

問題内容の一部を非公開とする必要がある場合には、XML文書中で児童生徒に表示される文字を黒四角(■)に置き換えること、画像中の文字を黒く塗りつぶすことを認めました。その場合にも、画像については塗りつぶした文字数が分かるようにすることを求めました。

[2025年10月21日 行政文書開示請求書]

また、請求の目的や、「CBT問題」とは画面表示ではなくQTI XML文書、画像、スタイルシート等を意味することなどを説明する補足資料を提出しました。

[情報公開請求に関する補足説明書]

国立教育政策研究所への移送

文部科学省は、2025年11月20日付で、本件を国立教育政策研究所に移送しました。

部分開示決定

国立教育政策研究所は、2025年12月5日付で部分開示決定を行いました。

開示対象は、「2025年 全国学力・学習状況調査 中学校理科 問題のデータ(XML文書、画像、動画、スタイルシートなど問題を構成する電子データ)」とされ、2,047ファイルが対象とされました。

しかし、開示の実施方法として、「スキャナーにより電子化し、CD-R又はDVD-Rに複写したものの交付」が示されました。電子データをスキャナーで処理して画像化してしまうと、XML文書の構造、属性、代替テキスト等を確認できなくなります。

また、「非公開問題」に関するデータについては、次年度以降の調査で使用する可能性があり、開示すると調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとして不開示とされました。CD-Rによる交付については、基本額42,940円、(それから300円を差し引いた)開示実施手数料42,640円が示されました。

[2025年12月5日 行政文書開示決定通知書]

審査請求

2026年3月3日、部分開示決定について審査請求を行いました。

審査請求では、もともと電子データとして存在するXML文書、画像、スタイルシート等を、そのまま複写して交付するよう求めました。スキャナーを使用しないことを求めたわけです。

また、2025年 全国学力・学習状況調査 中学校理科 問題はすでに一般公開されているのに、「非公開問題」とは何を指すのかが具体的に示されていないことを主張しました。

[2026年3月3日 審査請求書]

その後、文部科学省側から示された説明により、「非公開問題」とは何かが分かりました。受検者には提示されたものの一般公開はされておらず、次年度以降の調査で再利用される可能性のある問題だということです。

これを受け、審査請求人からさらに意見書を提出しました。この意見書では、非公開問題そのものの公開とを求めるのではなく、問題内容を秘匿したままアクセシビリティを検証できる部分開示を提案しています。

具体的な提案内容は、次の通りです。

  • XML文書中で児童生徒に表示される文字を、一文字ごとに黒四角(■)に置き換える
  • XMLの要素構造、属性等は残す
  • 画像中の問題内容は黒塗りするか、画像自体を非公開としてもよい
  • 各画像に含まれていた文字数は開示する

この方法であれば、問題内容を公開することなく、テキストとして提示されている文字数、画像として提示されている文字数、XMLの構造、代替テキスト等の有無を検証できます。

[審査請求人意見書]

現在、この請求について最終的な電子データは取得できていません。

2. 2025・2026年度 CBTサンプル問題

情報公開請求

2026年1月27日、国立教育政策研究所に対し、令和7年度及び令和8年度の全国学力・学習状況調査CBTサンプル問題について情報公開請求を行いました。対象は通常版及びすべての配慮版で、XML文書、画像、動画、音声、スタイルシート、JavaScriptプログラム等の電子データを請求しました。

[2026年1月27日 行政文書開示請求書]

開示決定

国立教育政策研究所は、2026年2月27日付で全部開示決定を行いました。開示対象は872ファイルとされました。

しかし、開示の実施方法として、「スキャナーにより電子化し、CD-R又はDVD-Rに複写したものの交付」が示されました。電子データをスキャナーで処理して画像化してしまうと、XML文書の構造、属性、代替テキスト等を確認できなくなります。

また、CD-Rによる交付について182,920円、DVD-Rによる交付について182,940円の開示実施手数料が示されました。

[2026年2月27日 行政文書開示決定通知書]

開示方法についての審査請求

2026年3月9日、審査請求を行いました。審査請求では、もともと電子データとして存在するXML文書、画像、スタイルシート等をそのまま交付するよう求めました。つまり、スキャナーを使用しないことを求めたわけです。

[2026年3月9日 審査請求書]

電子データそのものを交付する方法への変更

その後、国立教育政策研究所は2026年7月2日付の開示決定で、XML文書、画像、動画、音声、スタイルシート等の電子データを、そのまま電子データとして交付する方法を示しました。これにより、電子データを画像化せずに取得するという点については、問題が解消しました。

一方、対象ファイル数は872ファイルとされ、CD-Rによる交付について182,920円、DVD-Rについて182,940円という開示実施手数料は維持されました。

[2026年7月2日 行政文書開示決定通知書(8教研学力第18号)]

開示実施手数料についての審査請求

2026年7月21日、開示実施手数料について審査請求を行いました。

同種のMEXCBT問題の開示手数料は、北海道教育委員会では730円、京都府では220円、埼玉県では490円でした。個々の構成ファイル数を数えて手数料を算定する方法は採られていません。

文部科学省による「ちばっ子チャレンジ100」の開示では、問題ごとのZIPファイルを単位として数え、開示実施手数料は29,830円とされました。

一方、本件では、18万円を超える高額な手数料になっています。これは、ZIPファイルからXML文書、画像、スタイルシート等を取り出し、それらを個々のファイルとして数え、872ファイルだとして手数料を算定したものと考えられます。わざわざ取り出してから開示する合理的な理由は見当たりません。

このため、ZIPファイルを単位として交付することを前提として、開示手数料を再計算するよう求めています。

[2026年7月21日 開示実施手数料についての審査請求書]

現在、開示実施手数料についての審査請求が続いており、電子データそのものはまだ取得していません。

3. 2026年度 全国学力・学習状況調査CBT問題

情報公開請求

2026年5月26日、国立教育政策研究所に対し、令和8年度全国学力・学習状況調査のCBT問題について情報公開請求を行いました。対象は通常版及びすべての配慮版で、XML文書、画像、動画、音声、スタイルシート、JavaScriptプログラム等の電子データを請求しました。

サンプル問題の情報公開請求で開示方法が問題となったことを踏まえ、この請求では、「電子データはそのまま交付可能なので、スキャナーによる画像電子化を行ってはならない」ことも明記しました。

[2026年5月26日 行政文書開示請求書]

部分開示決定

国立教育政策研究所は、2026年7月27日付で行政文書開示決定(8教研学力第21号)を行いました。開示対象は901ファイルとされています。

一方、中学校英語の調査で出題した「非公開問題」については、次回以降の調査に出題するため、これを開示すると問題情報が公になり、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとして不開示とされました。

また、電子データをCD-Rに複写して交付する場合の開示実施手数料は189,010円、DVD-Rの場合は189,030円とされています。

[2026年7月27日 行政文書開示決定通知書(8教研学力第21号)]

審査請求

この決定について、二つの点を対象とする審査請求を行いました。

第一は、中学校英語の非公開問題です。次回以降に使用する可能性のある問題の内容そのものを公開することは求めませんが、2025年度中学校理科問題についての審査請求と同様に、問題内容を秘匿したままアクセシビリティを検証できる形での部分開示を求めます。具体的には、XML文書中で受検者に表示される文字を黒四角(■)等に置き換えながらXMLの構造や属性を維持し、画像については問題内容を黒塗りしてもよいものの、各画像に含まれていた文字数を示す方法です。

第二は、開示実施手数料です。MEXCBTが管理するZIPファイルという合理的な管理単位での交付を前提として手数料を再計算するよう求めます。18万円を超える高額な手数料は、ZIPファイルからXML文書、画像、スタイルシート等を取り出し、それらを個々のファイルとして数え、901ファイルだとして算定したものと考えられます。わざわざZIPファイルから取り出して開示する合理的な理由は見当たりません。

[2026年度全国学調CBT本番問題についての審査請求書]

現在、この電子データも取得できていません。

三つの情報公開請求の現在の状況(2026年9月12日)

現在の状況をまとめると、次のとおりです。

対象電子データそのものを開示する決定主な未解決事項データ取得
2025年度 中学校理科CBT問題部分開示・電子データでの交付非公開問題の部分開示未取得
2025・2026年度 CBTサンプル問題全部開示・電子データでの交付開示実施手数料182,920円未取得
2026年度 CBT本番問題部分開示・電子データでの交付非公開問題の部分開示、開示実施手数料189,010円未取得

したがって、全国学力・学習状況調査については、現時点では京都府、北海道、千葉県について行ったようなCBT問題の文字画像化率の分析には至っていません。

必要な電子データを取得した後、テキストとして格納されている文字と、画像の一部として格納されている文字を調査し、その結果と分析に使用したデータを公開する予定です。

情報公開請求の経緯

日付対象経過
2025年10月21日2025年度中学校理科文部科学省に行政文書開示請求
2025年11月20日2025年度中学校理科国立教育政策研究所へ事案を移送
2025年12月5日2025年度中学校理科部分開示決定
2026年1月27日サンプル問題2025・2026年度CBTサンプル問題を開示請求
2026年2月27日サンプル問題全部開示決定
2026年3月3日2025年度中学校理科部分開示決定について審査請求
2026年3月9日サンプル問題開示方法について審査請求
2026年5月26日2026年度本番問題CBT問題の電子データを開示請求
2026年7月2日サンプル問題電子データそのものを交付する方法に変更
2026年7月21日サンプル問題開示実施手数料について審査請求
2026年7月27日2026年度本番問題部分開示決定
2026年8月30日2026年度本番問題非公開問題の部分開示と開示実施手数料について審査請求書を作成

関連資料

本件に関連する一次資料を以下で公開します。

2025年度 中学校理科CBT問題

  1. 2025年10月21日 行政文書開示請求書と補足説明書
  2. 2025年12月5日 行政文書開示決定通知書
  3. 2026年3月3日 審査請求書
  4. 2026年7月1日 審査請求書意見書

2025・2026年度 CBTサンプル問題

  1. 2026年1月27日 行政文書開示請求書
  2. 2026年2月27日 行政文書開示決定通知書
  3. 2026年3月9日 審査請求書
  4. 2026年7月2日 行政文書開示決定通知書(8教研学力第18号)
  5. 2026年7月21日 開示実施手数料についての審査請求書

2026年度 全国学力・学習状況調査CBT問題

  1. 2026年5月26日 行政文書開示請求書
  2. 2026年7月27日 行政文書開示決定通知書(8教研学力第21号)
  3. 2026年9月2日 非公開問題の部分開示及び開示実施手数料についての審査請求書

行政機関から紙で交付された文書については、原資料をスキャンしたPDFを掲載します。そのため、これらのPDFは十分なアクセシビリティを備えていない場合があります。

当法人が作成した開示請求書、審査請求書、意見書等については、可能な限りアクセシブルな電子文書として公開します。